用語集
M(モーラー):mol/L
遠沈管(えんちんかん):遠心分離機を用いた実験に使われる容器
緩衝液(かんしょうえき):濃度が変化してもpHが大きく変化しない溶液
透析(とうせき):タンパク質などのコロイド粒子が半透膜を通過できないことを利用して不純物を除く操作
透析外液(とうせきがいえき):透析チューブを漬ける溶液
ベンゼン環(べんぜんかん):炭素原子が正六角形の形に結合した分子構造
字幕
1
00:00:05,638 --> 00:00:11,277
はじめに 透析した試料を
透析チューブから出します
2
00:00:11,277 --> 00:00:14,14
その中に少し沈殿した
不溶物が入っています
3
00:00:14,14 --> 00:00:23,356
それをそのままカラムに流すと
担体の目が詰まって 流れが止まってしまいます
4
00:00:23,957 --> 00:00:30,63
ですので一度 弱く遠心分離機にかけて
(沈殿を取り除き)
5
00:00:30,63 --> 00:00:33,99
上清だけを カラムに流すようにします
6
00:00:33,99 --> 00:00:39,439
(遠心分離機の)回転数は3000回転
2700G くらいの遠心力になります
7
00:00:39,439 --> 00:00:47,313
今回 各班の試料は1本なので
8
00:00:47,313 --> 00:00:52,252
(遠心分離する際には)
他の班と 重さを合わせてください
9
00:00:52,252 --> 00:01:02,262
重さをはかったら その班の代表がペアになり
遠心分離機のところまで持ってきてください
10
00:01:02,262 --> 00:01:10,70
3000回転での遠心分離が終わって
遠沈管を受け取ったら 確認してほしいのは
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00:01:10,70 --> 00:01:14,341
チューブの先端に
沈殿がたまっていることです
12
00:01:14,341 --> 00:01:16,876
これを振り混ぜたりしないでください
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00:01:16,876 --> 00:01:23,316
(次に) 10mM Tris-HCl(トリス塩酸)
透析外液にした緩衝液です
14
00:01:23,316 --> 00:01:35,328
その三角フラスコから
メスシリンダーで25ml ずつ はかりとって
15
00:01:35,328 --> 00:01:45,338
(ビーカー)AとBに
各25ml ずつ 入れます
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00:01:45,472 --> 00:01:46,172
そこに
17
00:01:46,172 --> 00:01:53,546
薬包紙の上に はかりとった塩化カリウム0.559g を
Bのビーカーに入れます
18
00:01:53,546 --> 00:01:55,382
Aには入れないです
19
00:01:55,382 --> 00:02:00,553
すると Bの溶液だけ
20
00:02:00,553 --> 00:02:05,492
塩化カリウムの濃度が
0.3M (300mM) になります
21
00:02:05,492 --> 00:02:10,997
次に 試料をカラムに流し始めます
22
00:02:10,997 --> 00:02:14,134
(カラムを)スタンドに
垂直に括り付けます
23
00:02:14,134 --> 00:02:21,41
チューブの下のキャップを開けて
担体が液面に出そうになるまで緩衝液を流します
24
00:02:21,41 --> 00:02:24,611
上部に3cm ほどある
緩衝液を除去してください
25
00:02:24,611 --> 00:02:32,185
次に 試験管立てに
空の試験管を11本程度並べます
26
00:02:32,185 --> 00:02:43,263
そして 最初の試験管に
チューブの先端を入れます
27
00:02:43,263 --> 00:02:53,873
その状態でキャップを開けて
上から試料を少しずつ流し込みます
28
00:02:53,873 --> 00:03:00,447
(カラムに)5ml 入ると
入った分だけ 下から出てきます
29
00:03:00,847 --> 00:03:09,522
最初に出てくるのは 流した試料に由来するものではなく
先にカラムに入っていた緩衝液です
30
00:03:09,522 --> 00:03:15,228
それを 1本の試験管に
全部受け取ってください
31
00:03:15,228 --> 00:03:19,32
それが 1本目の試験管です
32
00:03:19,32 --> 00:03:29,476
次は Aのビーカーから
メスピペットまたはマイクロピペットで5ml 取ります
33
00:03:29,609 --> 00:03:33,847
このとき出てくる液は
2本目の試験管に回収します
34
00:03:33,847 --> 00:03:43,857
5ml 流して 液がなくなってきて
担体が干上がるところまで来ると
35
00:03:43,857 --> 00:03:45,158
液が出なくなります
36
00:03:45,158 --> 00:03:48,94
(そうなりましたら)
チューブを 次の試験管に移します
37
00:03:48,94 --> 00:03:58,304
今度は BのビーカーからAのビーカーに
2.5ml 移して
38
00:03:58,304 --> 00:04:02,809
Aのビーカーを
ガラス棒で攪拌します
39
00:04:02,809 --> 00:04:14,754
均一になったら Aから5ml 取り
カラムに先ほどの要領で流します
40
00:04:14,754 --> 00:04:19,25
出てくる液は
3本目の試験管に全部回収します
41
00:04:19,25 --> 00:04:22,28
以降は それの繰り返しです
42
00:04:22,28 --> 00:04:30,804
こうすると カラムに供給される緩衝液のKCl濃度が
直線的に増えていきます
43
00:04:30,804 --> 00:04:33,707
全部で(試験管が)11本くらいになるはずです
44
00:04:33,707 --> 00:04:35,942
(次に 280nm の)
吸光度をはかります
45
00:04:35,942 --> 00:04:42,48
280nm というのは
ベンゼン環などが吸収を示す波長域です
46
00:04:42,315 --> 00:04:50,457
タンパク質の濃度が高いと
280nm の吸光度が高くなります
47
00:04:51,825 --> 00:04:58,264
(グラフは)吸光度が縦軸
横軸は溶出体積(ml) とありますが
48
00:04:58,264 --> 00:05:09,743
横軸を簡単に
フラクションナンバー(試験管番号)とします
49
00:05:09,743 --> 00:05:17,717
折れ線グラフではなく
散布図の形にしてください
50
00:05:18,318 --> 00:05:26,359
そして ポイントを直線で結んで
グラフを作ってください
51
00:05:26,359 --> 00:05:34,467
一番最初に出てくるのは
最初からカラムに入っていた液なので
52
00:05:34,768 --> 00:05:43,943
そこには タンパク質は含まれていないので
1番の試験管は吸光度が低いです
53
00:05:43,943 --> 00:05:46,946
その後 吸光度がぐーんと
上がってきます
54
00:05:46,946 --> 00:05:56,756
それは 担体と相互作用せずに
素通りして出てきたタンパク質の成分です
55
00:05:56,756 --> 00:06:01,861
担体と反発しあう
正に荷電した塩基性タンパク質が出てきます
56
00:06:01,861 --> 00:06:06,800
それから
しばらくして出てくるのが
57
00:06:06,800 --> 00:06:12,872
塩化物イオンの濃度が上がらないと
担体から離れない
58
00:06:12,872 --> 00:06:18,378
担体と より強く結合している
酸性タンパク質
59
00:06:18,378 --> 00:06:22,549
- に強く荷電した
タンパク質が出てきます