用語集
KCl(ケーシーエル):塩化カリウム
M(モーラー):mol/L
SH基(えすえいちき):チオール基
酸化防止剤:自らを酸化することで相手の酸化を防ぐ物質
ジスルフィルド結合:SH基間で形成されるS-S結合
チオール化合物:SH基をもつ化合物
字幕
1
00:00:05,605 --> 00:00:07,507
担体を十分に懸濁して
2
00:00:07,507 --> 00:00:13,79
上から懸濁液(1M KCl 溶液)を
20ml のメモリまで注ぎます
3
00:00:13,79 --> 00:00:21,654
すると 全体が白く濁った状態になり
下の方から担体が沈み 詰まっていきます
4
00:00:21,654 --> 00:00:27,694
上の方は透明で
下の方は白く詰まっている状態になりますが
5
00:00:27,694 --> 00:00:29,195
さらによく見ると
6
00:00:29,195 --> 00:00:36,369
詰まっている担体の下の方は
より濃く詰まっているのが見えます
7
00:00:36,369 --> 00:00:38,738
完璧に詰まっている部分が
8
00:00:38,738 --> 00:00:44,878
最終的に 8~10ml になるように
調節してください
9
00:00:44,878 --> 00:00:50,116
担体が露出するまで液面が下がると
10
00:00:50,116 --> 00:00:55,422
このタイプの担体(Q-Sepharose)は
詰まっているところがひび割れします
11
00:00:55,422 --> 00:00:59,125
(ひび割れると)
タンパク質の溶液を流したときに
12
00:00:59,125 --> 00:01:03,897
本当は上の方から流れてほしいのですが
ひびの間を流れてきてしまい
13
00:01:03,897 --> 00:01:06,66
きちんと分離ができなくなってしまいます
14
00:01:06,66 --> 00:01:10,3
(次に) 溶媒 (Tris-HClと 2-メルカプとエタノール)を
50ml 上から流します
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00:01:10,3 --> 00:01:14,240
(溶媒の)トリス塩酸(Tris-HCl)には
塩化物イオン(Cl⁻)が入っていますが
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00:01:14,240 --> 00:01:18,678
10mM という
とても低い濃度になっています
17
00:01:18,712 --> 00:01:25,385
流すと (- に荷電した)塩化物イオンが除去されて
担体の周りにない状態になるので
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00:01:25,385 --> 00:01:28,455
(- に荷電した)
タンパク質を結合させる準備ができます
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00:01:28,455 --> 00:01:33,727
(駒込ピペットで 内壁に)液を
伝わらせるようにして 流していきます
20
00:01:33,727 --> 00:01:45,305
流すときも 一か所からだけ流すと
下の担体が偏ってえぐれてしまいます
21
00:01:45,305 --> 00:01:53,113
上手な人は ピペットの先端を内壁に接触させたまま
ぐるぐると回して流します
22
00:01:53,113 --> 00:01:56,850
それから (溶媒の)
5mM 2-メルカプトエタノールというのは
23
00:01:56,850 --> 00:01:59,786
酸化防止剤です
24
00:01:59,786 --> 00:02:08,194
タンパク質が空気中の酸素で酸化されると
ジスルフィド結合が起きてしまうと言いましたが
25
00:02:08,194 --> 00:02:10,430
それを防ぐためのものです
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00:02:10,630 --> 00:02:16,136
2-メルカプトエタノール自体が チオール化合物
SH基を持っているので
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00:02:16,136 --> 00:02:19,973
これが酸化されることによって
タンパク質の酸化を防ぎます
28
00:02:20,206 --> 00:02:24,811
担体が詰まっている部分よりも 3cm くらい
液面が上になるように
29
00:02:24,811 --> 00:02:29,382
保持した状態で 流れを止めておきます