魚の鼻から1〜2Lの距離に個体がいて、逆位相から同位相に変わったとしても、魚はある程度得をすることになる。一方、反位相の状態でも鼻先から2〜3Lの距離では見かけの流速は1.03倍であった。群れとしては、1-2Lの距離範囲に後方遊泳の個体がいたほうが、魚のエネルギーを節約できる。個体間距離が1.2Lの場合、実際の後方遊泳速度は約0.98倍となる。この場合、個体間距離が0.8Lのときほどの省エネ効果は得られない。このように、個体間距離が0.8Lの場合、後続の遊泳者はエネルギーを得ていると考えられる。個体間距離が0.4Lに近づくと、見かけの流速が単独泳者より大きくなり、負荷が大きくなる可能性がある。したがって、省エネにはならない。