魚類を含む脊椎動物の成長は、成長ホルモン(GH)とインスリン様成長因子(IGF)-Iによって主に調節されています。脳下垂体から分泌されたGHは直接もしくはIGF-Iを介して間接的に骨や筋肉といった標的器官に作用します。IGF-IはGHの刺激により主に肝臓でされ血中に分泌されます。血中IGF-IはGHの作用を仲介するのに加えて、脳下垂体でのGHの合成・分泌を阻害します。これを負のフィードバックと呼びます。このようにして、GH-IGF-I内分泌系は自律性を保っています。IGF-Iは細胞増殖を促すだけでなく、鰓に作用すると海水適応能の向上を助けます。また、生殖腺の発達にも関与しています。このような多様な作用を持つIGF-Iはなぜ適切なタイミングで適切な器官に作用することができるのでしょうか?それには複数存在するIGF結合蛋白(IGFBP)が重要な役割を果たしていると考えられています。
