セクションアウトライン

  • MAAsは、シキミ酸経路及びペントースリン酸経路によって合成される水溶性の低分子化合物であり、シクロヘキサノンやシクロヘキセイミンを基本骨格に持つ二次代謝産物です(図2)。太陽光は生物にとって有害な紫外線を含んでいます。紫外線はその波長域によってUVA(315~400 nm)、UVB(280~315 nm)及びUVC(100~280 nm)に分類されます。そのうち、UVA及びUVBが地表に届き、タンパク質や核酸の構造変化を引き起こします。MAAsは310~360 nmに吸収極大波長を持ち、光エネルギーを熱として放出するため活性酸素を生じにくいことから、安全な紫外線防御物質として期待されています。

    シキミ酸経路:微生物・植物などが芳香族アミノ酸(チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン)などを生合成する経路。

    ペントースリン酸経路:解糖系の中でも主に5炭糖(リボース、デオキシリボース)の生合成に関わる経路。

    MAAs-fig2