Perfilado de sección

    • これまでの取り組みにより、ダルスには他の食材ではなかなか見られない特徴があることが明らかになりました。しかし、その食味や食感が広く消費者に受け入れられるものでなければ、食品としての利用は難しいのが現実です。そこで、20142月に函館市南かやべ地区で収穫されたダルスをボイル塩蔵加工して試験販売し、一般消費者の方からのコメントを集めました。その結果、ノリのような香味を持ち、他の海藻では見られないシャキシャキとした食感があり、とても美味しいとの評価が得られました。こうした声は、ダルスの産業利用を加速させる上で、意義深いものと考えています。




      また、近年は、消費者の簡便志向の高まりを受けて、レトルトパウチ食品やチルド食品の売り上げが堅調な伸びを示していると言われています。

      レトルト加熱は、水分が多い食品でも常温で長期の保管流通を可能にする優れた殺菌技術ですが、これにより製造されるレトルトパウチ食品では食品衛生法上、「中心温度1204分相当以上」という過酷な加熱処理を行うことが義務付けられています。また、惣菜類によくみられるチルド食品も、多くは包装後に100℃以下で数分~数十分の二次殺菌を行うことで、一定の保存性を確保していると聞きます。こうした製品では何れも、一定の加熱処理が施されるため、鮮やかな色合いを維持するのが難しいとされています。特に、レトルトパウチ食品で緑色を残すことは永遠の課題とされていると言われています。

      今回の結果から、ボイルなどの加熱処理によって緑色化したダルスの色調(緑色)は、レトルト加熱に対しても十分に耐えられることが確認されました。このことから、ダルスは、色調に着目した付加価値の高い商品作りを求める食品業界に新たなビジネスチャンスをもたらす素材として、とても興味深いものだと考えています。今後、関連業界の方々の示唆もいただきながら、産業利用に向けた有意義な用途開発を進めたいと思っています。