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    •  調査・研究航海を成功させるには、快適に生活を送れる船内環境が整っていることが大切です。制約の多い船内では、陸上に比べて窮屈さや不便を感じる点も多いですが、船内の様子が予め分かっていれば、各自で準備を整え、少しでも快適に過ごせるよう工夫することもできます。ここでは、「おしょろ丸」への乗船経験がない人でも船内生活の様子をイメージできるよう、居住区画の様子を360°カメラ画像を使って紹介していきます。

       まず、「おしょろ丸」の居住区画の配置を図15に示します。居住区画は「学生居住区」、「学生食堂」、「研究員居住区」、「主席研究員居室」に分けられ、それぞれ異なる階層に配置されています。



      15 居住区画配置図


    • ・学生居住区

       学生用の居住区画は最も下層の第二甲板に配置されています。居住区画には寝泊りするための居室(6人部屋×7室 + 4人部屋×2室)と男女別の洗面所、風呂、便所が設けられています。居室には人数分の二段ベッドとロッカーのほか学習机、扇風機、内線電話機が備え付けられています。洗面所には洗濯機と衣類乾燥機が設置されていて、短期間の航海を除けば自由に使用することができます。

        

        

      16 学生居室(VR動画)


       

       

      17 洗面室(男性用)(VR動画)


       

       

      18 風呂(男性用)(VR動画)

    • ・学生食堂(教室)

       学生居住区の一つ上のフロア(上甲板)には、教員と学生が一堂に会して食事を採ることのできる食堂が配置されています。この食堂は講義用の教室も兼ねており、プロジェクタやテレビモニタなどのAV機器が備え付けられています。食事や講義の時間以外は、乗船者の憩いの場としても利用されます。

       
       

      19 学生食堂(VR動画

    • ・研究員居住区と主席研究員居室

       学生の指導や調査・研究の為、「おしょろ丸」には大学の教員や研究機関のスタッフ(研究員)も乗船します。調査や実習を行ううえでの利便性を考慮して、そうした研究員用の居室(2人部屋×3室)は研究区画や観測作業甲板と同じフロア(船尾楼甲板)に配置されています。また、各航海には、研究員・学生を統括するリーダーとして「主席研究員」が乗船します。主席研究員は乗船者側と船側との調整・連絡役として船橋に登る機会が多いため、主席研究員用の居室(1人部屋)は船橋のすぐ下のフロア(端艇甲板)に用意されています。また、航海の目的を達成する責務と権限を持つ主席研究員は運航サイドの責任者と同等以上であるとの考え方から、船長・機関長と並ぶかたちで居室が配置されています。

       研究員の居室にはベッド、机、ロッカー、冷蔵庫、テレビ、洗面台、扇風機、内線電話機が備え付けられています。また、研究員は船尾楼甲板の風呂と便所(いずれも船員と共用)を使用します。

        

       

      図20 主席研究員居室(VR動画)