單元大綱

    • 北海道大学水産学部おしょろ丸海洋調査部 今井圭理、小熊健治、澤田光希

       

       ピストンコアラーは柱状採泥器の一種で、海底下から20m程度におよぶとても長い不攪乱な柱状試料(コア)を採取することができます。

       堆積物は氷河期・間氷期といった地球環境や気候の変動あるいは特定の生物の大繁栄の痕跡など地球上の活動(イベント)を古いものから順に記録しています。そのため、より深くまで堆積物を採取するほどより古い年代まで環境を推定することができ、これまでの地球環境変遷を知ることで、将来の環境変化予測に役立てられます。そこで、考案されたのがピストン機構を備えることでより深くまで採泥管を貫入させ、重力自由落下式の採泥器の中で最も深くまで堆積物を採取することができるピストンコアラーです。ピストンコアラーで採取された試料からは数百年から数十万年前の地球環境を推定できるとされます。ピストン機構を利用して採取された堆積物試料は他の採泥器と比較してコアが圧縮されにくいのでより正確に年代を測定できる利点があります。

       本コースでは、ピストンコアラーの機器構成や仕組み、また実際の採泥作業について詳しく説明します。



    • 1 ピストンコアラー