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    •  マルチプルコアラーが堆積物を採取する際の作動の仕組みを、順を追って示したのが図6です。マルチプルコアラーを海底へと降下させると初めにやぐらが着底します(図6-①)。その後、採泥器を吊り下げていたワイヤロープが緩むと、重錘の重みとハイドロリックダンパーの作用によって昇降部がゆっくりと降下していき、採泥管が堆積物へと貫入します(図6-②)。ワイヤを巻き上げて昇降部を上昇させると上下の蓋を固定していたトリガが作動し、上蓋が閉じると同時に下蓋も解放されて海底面へ乗ります(図6-③)。さらにワイヤを巻き上げると採泥管が堆積物から引き抜かれ、それと共に採泥管の下蓋が閉じます(図6-④)。採泥管の上下を蓋で閉じることにより、採取された堆積物の落下を防ぐとともに、直上海水が他の海水や大気と接触する機会を減らすことができます。



    • 図6 マルチプルコアラーを用いた採泥の仕組み