セクションアウトライン

    • コンブには微視的な世代(配偶体)と巨視的な世代(胞子体)があり、巨視的な世代は私たちが養殖・収穫して利用する世代です。
      胞子体の成熟は、天然藻場での再生産を支え藻場を維持するためだけでなく、養殖の種苗生産用母藻を確保する上で、必要不可欠な生命現象です。
      そのため、その成功を導く様々な条件や仕組み、さらにはその人為的な制御技術の開発などに関する研究を行っています。


    •                                            










                                                          図.コンブの生活環

    • 私たちが目にするコンブは、生活環の中で巨視的世代(胞子体という)に相当します。
      巨視的世代から微小世代(配偶体)への移行には、巨視的世代の成熟が重要な役割を担います。
      胞子体が成熟すると体表面が隆起し、子嚢斑と呼ばれる生殖器官を形成します。その中で、減数分裂によって遊走子と呼ばれる鞭毛を2本持った生殖細胞が作られます。
      放出された遊走子が、新しい基質に着底することで微小的(配偶体)世代へ移行します。
      配偶体世代は有性で、雌雄の配偶体が成熟し、それぞれの生殖細胞同士の受精を経て再び巨視的世代となります。