「さらに」
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他個体への産卵は休みなく行われ、2ヶ月以上かかることも多かった
そして、このような産卵行動は、なんと2ヶ月以上にもわたって連続して行われていました。他個体の貝殻にとりついた個体は、2ヶ月以上、餌も食べずにひたすらに産卵をし続けます。そして、他のメスがやってくると、それを押しのける行動もとるのです。また、産卵を終えたメスが一目散に餌に向かっていく様子も観察されました。産卵は、メスにとって大変な重労働のようですね。産卵した後のメスの生存率が、オスや産卵しなかったメスの生存率よりも低いことが伺えるデータも得られています。こんなに大変な行動をみせるのは、きっとこの行動に機能があるからに違いありません。エゾボラのような水深100mほどに生息する巻貝で、野外で行動の機能を検証することは大変難しそうですが、「卵塊が砂に埋まったり別の場所に流されたりしないようにするため」という機能があるのではないかと私は考えています。他個体に卵の世話をお願いするという意味で、私はこの行動を「托卵行動」とよんでいます。
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