初期減耗
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イカナゴ属の1種は2~5歳で成熟し,毎年雌1尾当たり2.2~6.6万個産卵します。これらの卵のうち,雄1尾と雌1尾の合計2尾が漁獲をかいくぐり,自然死亡もなく,成魚になって産卵に参加すれば,イカナゴ資源は維持できるはずです。
産卵数から計算するとその生残率は0.0031~0.0089%であり,宝くじに大当たりするくらい低い確率です。
小型で脆弱な卵や仔魚・稚魚の時期は,未成魚期や成魚期に比べて生残率が低いです。これを「初期減耗」といいます。また,わずかな環境要因の変化が,初期減耗に大きな影響を及ぼします。初期減耗が生じる原因には様々な説があります。例えば,
飢餓仮説:小型仔魚は遊泳速度が低いために,餌密度が低いとお腹を空かせて死亡することがあります。
輸送仮説:小型仔魚は遊泳能力が乏しいプランクトン生活者なので,ネクトンのように生活しやすい水温層や生育場に泳ぎ着くことができません。異常海流で生残できないような外洋に流されてしまうと,生残率が下がります。
水温仮説:急激な水温低下や高水温化が生じると,逃げ切れずに大量死が起こります。
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一日あたり1%の生残率の違いが、1年後には40倍もの違いに広がります。
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種苗放流や完全養殖をすればよいのでしょうか?
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