■水産加工品(冷凍すり身)
<概要>
・2010年の陸上での水産加工品の生産量は182万トン
・練り製品が最多で約30%,原料はすり身
・冷凍すり身は,洗浄した魚肉に冷凍変性を防ぐ糖類を加え,ゲル形成能を保ったまま長期保蔵を可能した素材
<特長>
1)加熱ゲル形成能を長期間(1-2年)保持
2)非可食部を含まないので製造工程での廃棄物が少ない
3)解凍後すぐに使えるので工場の立地選択や計画生産が容易
<欠点>
1)凍結変性の防止に用いる糖類に甘味
2)加熱条件によって褐変(メイラード反応)
3)品質を外見で判断しにくい
■すり身製造における魚肉水晒し液からのタンパク質の回収とその利用
仁木弘ら(雪印乳業株式会社札幌研究所)日本水産学会誌(51, 959-964, 1985)
●すり身製造では,カマボコの「足」の強さと白さを上げるために魚肉を「水晒し」する
●「水晒し」で本来は可食部である水溶性タンパク質が流出
●その流出量は魚肉の全タンパク質の30-45%
●しかも,流出タンパク質は排水処理に大きな負担
●魚肉の水晒し排水のタンパク質の回収の試み
→凝集法(電解,加熱,等電点),加圧浮上法など
■スケトウダラのすり身製造における排水処理
※すべて「一律排水基準」の対象(50 m³/日以上)
■北海道内のすり身加工場の排水処理の例
※一次処理は凝集加圧浮上法,二次処理は活性汚泥法
※一律排水基準:COD <160 mg/L