セクションアウトライン


    •  取得したメタゲノムDNAの断片をランダムに大腸菌などの培養容易な宿主に組み込みます。左写真の一つ一つのコロニーにはそれぞれ異なるメタゲノムDNAが組み込まれています。

      一つ一つのコロニーをメタゲノムクローンといい、その集合体(この例ではプレート全体)をメタゲノムライブラリといいます。

      メタゲノムに何かの物質(色素など)を生産するのに必要な遺伝子が含まれていた場合、クローンはその物質を生産します(色素の場合はコロニーに色がつく)。


    • 【コラム】

      一つの化合物を作るのには多くの場合複数の遺伝子が必要です。

      ただ、細菌では必要な遺伝子が連続してまとまったセットになっていることが多いです(遺伝子クラスターという)。

      そのため、全ての必要な遺伝子をまとめて一つのクローンに組み込むことが可能です。

      抗菌物質の生合成遺伝子クラスターの場合は自己耐性遺伝子も含まれています。


    • 方法①のメリットとデメリット


      メリット

      これまでに全く知られていない(既知の配列情報が無い)遺伝子を取得できる。

      DNA配列決定のコストがいらない。


      デメリット

      メタゲノム遺伝子が大腸菌で機能するとは限らない。

      複数の遺伝子が必要な場合は難しい(不可能ではない)。

      時間と手間がかかる。