單元大綱

    • MIWAサンプラーの仕組みです。

      ガラス瓶にブチルゴム栓を付けて、その栓に二本のステンレス管を挿してあります。水中に入れると、水圧差で瓶の中に海水が入ります。ガラスを保護するため、保護ネット(黄色)を巻いてあります。なるべく遠くに投げるため、大物の魚を狙う釣り竿を使いました。相当な釣りマニアでないと、これを使うのは難しいようです。


      下記引用文献のFig 2より転載



    • 北海道噴火湾の周囲の海岸で海水を採取


       噴火湾は、半径30キロくらい。周囲の海岸を一日で廻るには、朝函館を出て、高速道路を使いながら、各所に向かいます。各所(海岸)でのサンプリングを30分で済ませられれば、夕方には函館に戻ることができます。このような短時間で海岸の水を採取するには、やはり、MIWAサンプラーが欠かせないのです。

       下の図の海岸線に記した̻、砂崎(Sunasaki)~室蘭(Muroran)で海水を採取しました。


      下記引用文献  Fig 1より転載


       海岸の海水を採取して、含まれるブロモホルムの濃度を測定した結果です。ブロモホルムは、海岸に生息する大型藻類(コンブ)が放出する有機ハロゲンガスの一種です。昆布が繁茂する有珠の海岸で濃度が高いことがわかりました。


      下記引用文献  Fig 5より転載


       今後も海岸の水を観測したいのですが、MIWAサンプラーを操れる釣り好き(かつ、分析好き)が現れないので、休止中です。


    • 引用文献: Ooki et al., Seasonal Variations of Bromoform Distribution in the Funka Bay, BUNSEKI KAGAKU (62) 12, 1071-1078 (2013) DOI: 10.2116/bunsekikagaku.62.1071

      日本分析化学会の日本語雑誌(分析化学)の記事へのリンクです

    • ブロモホルムは、大型藻類の酵素反応で生産されると考えられています。大型藻類の機能性成分については、上のリンクで学んでください。