北太平洋から南北インド洋、北極海までの海水中有機ガス(上の図は、イソプレン)のモニタリング結果を下に示す。結果の詳細は、以下の引用文献を参照してください。

(引用: Ooki et al. A global-scale map of isoprene and volatile organic iodine in surface seawater of the Arctic, Northwest Pacific, Indian, and Southern Oceans, JOURNAL OF GEOPHYSICAL RESEARCH-OCEANS, 120(6), 4108-4128, (2015) DOI: 10.1002/2014JC010519)
日本列島周辺の太平洋で観測した結果
大気と海水の有機ガス(ハロカーボン類)を交互に測定した結果を以下に示す。
A:大気中で安定に存在する人為起源の成分(代替フロン類)
海水でも安定に存在するため、大気と海水は平衡状態に近い。ただし、水温変化により、海水中の平衡分圧が変るので、冬と夏で、海水中の飽和度が逆転する。

B:塩化メチル(CH3Cl)陸上植物が主な起源で、海水中での生成や消失もある。生物生産性の高い混合水域や亜熱帯海域で海水中で過飽和(おそらく、海水中の生物により生成)

C:臭化メチル(CH3Br)陸上植物が主な起源、海水中でも生成と消滅がある。塩化メチルと挙動が似ているが、亜熱帯海域では、何故か未飽和。海水中の微生物が分解していると思われるが、その詳細は全く不明。

塩化メチルと臭化メチルの海水中分圧(単位:patm)をプロットした図
亜寒帯では、塩化メチルと臭化メチルの分圧は正の相関関係が見られたが、亜熱帯では、相関関係は見られなかった。
