ひょっとすると、今回のような結果になるのは、メスとの別れ方が不自然だったからかもしれません。考えてみれば、人間にピンセットでメスと引き離されるなどという別れ方は、長いホンヤドカリの進化のなかで、めったにあることではありません。そのため、今回の結果が適応的な行動でなかったとしても当然と言えます。
そこで、もっと自然な別れ方にしてみました。すると
今度はちゃんとどちらかのメスを選択したオスが多くなりました。ただ、それでも配偶者選択の基準は不明でした。テナガとヨモギは、どちらも繁殖期が1ヶ月程度ですが、ホンヤドカリの繁殖期は半年以上と、とても長いです。そのような違いも行動の違いと関連があるのかもしれません。