これがヨモギの配偶者選択の結果です。オスのサイズを大型と小型に分けて解析しています。このグラフはちょっと難しいので、じっくり眺めてください。まず縦軸は、オスが大型メスを選んだのか、それとも小型メスを選んだのかとなっています。横の平面をつくっている2つの軸は、体長差と成熟度の差です。この「差」は、大型メスと小型メスの引き算をした結果です。成熟度とはメスが交尾・産卵するまでにかかった日数なので、「この値が大きいほどメスの成熟度が低い」ということに注意してください。この値がプラスであれば、大型メスの産卵日が小型メスよりも遅かったことになります。
今回のグラフでは、成熟度の差が0からマイナスになるにつれて、大型メスを選んだ確率が上がっています。いっぽう、体長差が違っても、オスが大小どちらのメスを選ぶかという結果には、あまり影響を及ぼしていないことがうかがえます。つまり、ヨモギホンヤドカリのオスは、成熟度を基準にしてメスを選んでいて、体長を基準にはしていないのです。