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    •  ベリリウムは原子番号4(陽子数4)で非常に軽い金属です。中性子数5の核種が安定同位体です。あまりなじみのない元素ですが、エメラルドの主要構成元素として知られています。ベリリウムには、中性子数3の放射性核種ベリリウム7 (7Be)があります。大気中の窒素や酸素に宇宙線が当たって、これらの元素が壊れるときにベリリウム7 (7Be)が生成されます(核破砕反応)。半減期は40日と比較的短いのが特徴です。

       ベリリウムは金属なので、大気上層で7Beが生成されると、他の粒子に付着して存在することになります。そして、他の粒子と共に海洋に沈着し、海水中でも粒子に付着しながら、海底面に堆積してゆきます。半減期が40日と比較的短いので、それくらいの時間スケールでの海水中粒子の動き(滞留時間など)を調べるのに、7Beの量を計測するのが役に立ちます。

       例えば、表層混合層(~50m)よりも深い層では7Beはほとんど検出されません。表層混合層の7Beの減少率見ることで、表層混合層での粒子の滞留時間を推定することができるのです。。