音響計測
章节大纲
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海中におけるリモートセンシングやデータ伝送には、多くの場合音波が利用されています。水中における吸収減衰の大きい電磁波(光・電波など)と比べ、音波はより遠くまで伝搬するからです。船から発信して跳ね返ってくる音波信号を探知し、離れた場所の物標までの距離を計測する技術はソナー(SONAR: SOund and NAvigation Ranging)と呼ばれ、船舶の安全航行に不可欠なものとなっています。1912年のタイタニック号沈没事件を契機に発展を始めた音波探査技術は、今日では測深(水面から海底までの距離を測ること)だけでなく、魚群探知、流向流速計測といった数多くの水中音響技術に応用され、迅速かつ広範囲に海洋の有様をとらえる手段として利用されています。