單元大綱

    • 噴火湾の海洋データをプロットしたら、そのプロットの特徴を文章で説明しましょう。

      (いわゆる、レポートにおける「結果」の章の記述です)


      まず、複数のプロットを並べてみて、似た特徴、異なる特徴、面白そうな変化を見出しましょう。

      着目するヒント

      ・混合層内では、海水成分が均一になりやすいのと、光が十分降り注ぐのが特徴です。

      ・PAR対表面比が1%以上であれば、光合成が活発(有光層)と考えられます。

      ・硝酸塩 0.1 μmol/L、リン酸塩 0.05 µmol/L、ケイ酸塩 2 µmol/Lに近づくと、これらの栄養塩が枯渇気味になり、植物プランクトンの成長が制限されます。

       (これらの濃度の2倍もあれば、成長できると思います)

      文章を記すヒント

      ・まず、箇条書きで記しましょう。

      ・なるべく定量的に記しましょう。「急に増えた」と述べるのではなく、「〇月の××濃度 △ mol/Lが、約1か月後には△ mol/Lまで急に低下した」の方が定量的ですよね。

      ・全ての特徴を記すのは無理でしょうから、その次の「解釈」「考察」に関連する内容について、文章で記すようにしましょう。


      プロットの特徴を海洋学的に解釈して、その説明を文章で記しましょう。

      (いわゆる、レポートにおける「考察」の章の記述です)

      各自プロットを見て興味を持った点について、その解釈を記しましょう。

      興味をもった「結果」をもう一度説明(おさらい)→「解釈の根拠」→「解釈」 の順番に記しましょう。

      解釈の根拠:既知の事実(なるべく文献や教科書を引用)、推測されること(なるべく文献や教科書を引用)


      例えば、

      3月表層のクロロフィル濃度が10µg/Lを超えていたことを解釈

      注目した結果:2月にクロロフィル濃度が0.1 µg/Lだったのが、3月初旬になると10µg/L以上まで急激に濃度が上昇した。

      解釈の根拠 :噴火湾では例年3月に珪藻ブルームが起こることが報告されている(引用文献)。珪藻ブルーム時のクロロフィル濃度として5µg/Lが報告されている(引用文献)。

      結果に対する解釈:2019年3月初旬にクロロフィル濃度が10µg/L以上まで急激に濃度が上昇したのは、過去にも同様の現象が報告されているように(引用文献)、春季珪藻ブルームが起こったためと考えられた。


      (これが全てできれば、本物の科学論文です。1単位授業のレポートにしては重過ぎるので、各自、適当なところで終えてください)




    •  海洋化学の基礎を学ぶコース群です。これを学ぶと、解析のヒントが得られます。