セクションアウトライン

    • 潮の干満の生じる最大の原因は月による引力である。これにより海水は月の方向へ引っ張られる。一方、月と地球はお互いの引力で引っ張り合い一つのユニットとして同じ軸のまわりを回転しているが、地球の質量が月のそれに比較して非常に大きいため(約100倍)その軸は地球内部に存在することになる。この共通の軸状をまわる回転により、遠心力が生じ海水は軸から遠い方向、すなわち月とは反対の方向へ引っ張られる。この引力と遠心力が平衡して結局海水は両方向へ引っ張られることになる。地球それ自体は自転をしているので、地球上のある一点は1日のうちにa-b-c-dの地点を通過する。これが1日に2回の潮の干満が生じる理由である。


    • さらに、影響力は月ほどでないにしろ、この引力と遠心力の関係は太陽からの引力にも影響される。月地球太陽がほぼ直線にならぶ満月・新月のころには太陽からの引力が加算されて、そのぶん潮がよく引く。一方、月地球太陽がほぼ直角の位置に並ぶころは、引力を打ち消し合い、潮はそれほど引かない。従って、潮の程度や時刻は、季節、地形や経度・緯度等によって異なるので、正確な干潮の時刻やどの程度の潮が引くかなどは、その地方の潮汐表や新聞の天気欄などで調べる必要がある。



    • 太陽、地球、月がほぼ一線に並ぶと潮の干満の差が大きくなり(大潮)、直角の位置に並ぶと潮があまり引かなくなる(小潮)。