海は地球表面の71%を占めており、最深部は海面下約11000mで、海洋の平均深度は約3800mである。良く言われるように地球よりは海球と呼んだ方が適切なくらいである。海はまた生命が起原した場所でもあり、陸上に生物が進出するまでは長らく生物進化の場でもあった。生物の種類数から見ると約22万種と陸上の生物にはかなわないが、進化的な多様性、たとえば門の数、からみると、海洋は30以上の門に属する動物が生息しているのに対し、陸上や淡水では20以下であり、圧倒的に海の生物が多様である。これは陸上生物の起源が海にあり、海の生物の一部が上陸を成し遂げたに過ぎないことを示している。
海と陸では、生物に及ぼす環境要因は非常に異なっている。また、一言で海と言っても、河口域〜沿岸域から外洋まで環境の幅は広い。また、深度を見ても、太陽光が届く浅い海から全く光の届かない深海まで環境の違いは大きい。それぞれの環境に適応した生物が暮らしている。
この海洋生態学実習ではそのような海の環境要因と生物の関係を学ぶ。臨海実習の醍醐味は実際に海に出て、その場の環境の中で生物にあるいは生物の多様性に触れることができる点である。実習の期間は短く、実施できる実習も数多くはないが、受け身になることなく、自分自身で良く見て、よく考えて実習の期間を過ごして欲しい。