單元大綱



    • 樺太観光を再考する:植民地におけるモノと人のネットワーク

      概要:
      近年、歴史学の分野から「帝国日本」における観光の研究が蓄積されるようになり、植民地イメージの形成に留まらない、さまざまな政治的・文化的役割を観光が担ってきたことが、実証的に明らかになりつつある。また、植民地研究における「人の移動」論は、内地/外地という区分を超えた帝国日本における多様な人流やネットワークの形成過程を明らかにしてきた。「人」に加えて、近年のアクターネットワーク理論の隆盛まで視野に入れると、さまざまな「モノ」の流入がもたらす植民地内部でのネットワーク形成にも目を向ける必要があろう。 一方でその植民地的性質の差異ゆえか、以上のような研究的潮流は、樺太を対象とした研究ではまだ充分な蓄積が存在しない。そこで本フォーラムでは、帝国日本における観光の役割を整理した上で、樺太を事例にしてどのような考察が可能であるか、その一端を示しつつ、樺太「開発」における観光の役割についての議論を深化させる手掛かりとしたい。