章节大纲

    • 北海道大学大学院水産科学研究院 宮澤 晴彦

      本講義では主に3つの事柄について解説する。第1に、水産物(とりわけ国産シロサケ)の価格形成の仕組みと価格を左右する一般的諸要素について明らかにする。第2に、「サケ」という言葉でくくられる商品の多様性とそれに伴う商品別価格水準の「序列」ともいうべき階層性の存在について示す。そして第3に、1980年代以後、価格序列の下層に落ち込んだ国産シロサケの価格低下要因について、①社会経済情勢の変化、②輸入サケマスの増加に伴う価格序列の変化、③国民の購買力と需要・消費構造の変化といった諸側面から明らかにする。またその上で、東日本大震災以後の状況変化を踏まえ、現段階における国産シロサケ価格維持に関する産地対応の意義と課題について考察する。