【群集の類似度の解析】
類似度指数は、2つの群集で出現する種構成と各種の個体数が全く同じ場合を
100%、全く異なる(共通種が1種もでない)場合を
0%として、その違いを連続的に表すものである。多数の異なる方法が開発されているが、今回は下式に示す
Bray-Curtis similarity indexを利用する。

Sjk: j番目のサンプルとk番目のサンプルの類似度
Yij: j番目のサンプルのi番目の種の個体数(現存量、被度)
類似度指数は2群集ごとのペア間で求める値なので、nサンプルからなるデータセットの場合はn(n-1)/2の類似度が求まることになる。これを対戦表の形で表したものを類似度行列を呼ぶ。
類似度行列を元に、群集間の類縁関係を視覚的に表す方法が多数開発されてきる。大きく分けると、
1) 類似度の大きさに応じて群集を分類(分割)する
clustering (クラスター解析
)という方法と、群集の類似度の違いを距離の差に見立てて2次元(3次元)空間にプロットする
ordinationという方法の2種類がある。それぞれの方法の特徴、利点、欠点を理解するには多変量統計解析の知識が必要であるが、ここでは、比較的簡単なクラスター解析による群集の分類を行う。クラスター解析では、より似通った群集がより近い位置になるように群集の位置を配置する。その方法も多数あるが、今回は手計算でできる
group-average linkageによる連結法を紹介する。